猫の便秘の原因と症状について解説します
猫の食欲や食事の有無、排泄のパターンなどは、健康のバロメーターとして、飼い主の毎日の確認が大切になります。
猫はデリケートなので便秘になりやすく、放っておくと自力で排便できなくなることもあります。
ここでは、猫の便秘の原因や症状、対処方法について解説します。ふだんから便秘の予防を心がけ、疑いがあれば早めに対処してあげましょう。
猫が便秘になる原因
猫が便秘になる原因は、大きく分けて2つあります。
1つは、食事や飲水、運動などの生活習慣による「機能性便秘」です。もう1つは、病気やケガなどの影響による「器質性便秘」です。
機能性便秘の原因としては、以下のようなものが挙げられます。
水分不足
食物繊維の過剰摂取
毛玉の飲み込み
運動不足
ストレス
トイレの環境の変化
猫はもともと水をあまり飲まない動物なので、水分不足になりやすいです。また、毛玉を飲み込む習性があるため、毛玉が腸に詰まって便秘になることもあります。運動不足やストレスも便秘の原因になります。
器質性便秘の原因としては、以下のようなものが挙げられます。
腸の腫瘍や炎症
肛門周囲の炎症や腫瘍
脱肛
甲状腺機能低下症
副腎機能亢進症
糖尿病
腸の病気や肛門周囲の病気、ホルモンバランスの乱れなどが原因で、便秘になることがあります。
猫の便秘は、排便間隔が長くなる、排便時に排便を我慢する、排便時に痛みを伴うなどの症状が現れます。
便秘が長引くと、腸に便が溜まって腸壁が傷つき、腸炎や腸閉塞などの重篤な症状を引き起こす可能性があります。
猫が便秘になった場合は、まずは水分や食物繊維を十分に摂取させて、運動をさせてあげましょう。それでも症状が改善しない場合は、動物病院を受診して原因を調べてもらい、適切な治療を受けることが大切です。
猫の便秘はどんな症状が出る?
猫の便秘の症状は、以下のようなものが挙げられます。
排便間隔が長くなる
排便時に排便を我慢する
排便時に痛みを伴う
便の量が少ない
便が硬くて乾燥している
便に血が混じる
排便間隔が2日以上空いたり、排便時に排便を我慢したり、排便時に痛みを伴ったりする場合は、便秘の可能性があります。また、便の量が少ない、便が硬くて乾燥している、便に血が混じるなどの症状も、便秘の可能性を示すものです。
猫の便秘対処方法
猫の便秘の対処方法は、以下のとおりです。
1. 水分と食物繊維を十分に摂取させる
水分不足や食物繊維の不足は、便秘の原因となります。猫はもともと水をあまり飲まない動物なので、水飲み場の場所を複数にしたり、流れる水が出る給水器を使ったりすると、水を飲みやすくする効果があります。また、食物繊維を多く含むフードを与えたり、フードにオリーブオイルやキャベツの千切りなどを加えたりするのも効果的です。
2. 運動をさせる
運動不足も便秘の原因となります。猫は運動量が少ない動物ですが、短時間でもいいので毎日遊んであげましょう。
3. トイレの環境を整える
トイレの場所が汚れていたり、トイレの砂が気に入らなかったりすると、トイレを使わずに排便を我慢してしまうことがあります。トイレの場所や砂を定期的に交換して、猫が快適に使えるようにしましょう。
4. サプリメントや下剤を使う
水分や食物繊維、運動などを十分にさせても症状が改善しない場合は、サプリメントや下剤を使うとよいでしょう。サプリメントには、腸の働きを活発にする成分や、便を柔らかくする成分が含まれているものがあります。下剤は、便を柔らかくしたり、腸の蠕動運動を促したりする効果があります。
5. 動物病院を受診する
便秘が長引いたり、血便や嘔吐などの症状がみられたりする場合は、動物病院を受診して原因を調べてもらい、適切な治療を受けることが大切です。
猫の便秘予防方法
便秘の予防には、以下のことに気をつけましょう。
水分を十分に摂取させる
食物繊維をバランスよく摂取させる
毛玉の飲み込みを防ぐ
運動をさせる
トイレの環境を整える
また、ストレスを溜め込まないように、猫にとって快適な環境を整えることも大切です。
ぜひ参考にして下さい。